編集部のつぶやき(千葉・船橋・市川・習志野・鎌ケ谷)
無責任飼い主をゼロに! 動物の一生涯を預かる覚悟はありますか?
ペットブームが続く中、SNSなどでも捨て犬や捨て猫、飼育放棄などネガティブなワードも注目されてきていると感じています。私も、動物を愛するひとり。そのような話題は悲しいものです。少しでもひとりひとりが責任を持ち、人間と動物が幸せに、豊かに暮らすために必要なことについて今回は、船橋市動物愛護指導センターにお話を伺ってきました。
スタッフ(獣医師)「動物愛護指導センターってどういう場所だと思いますか?」
取材の際に、このような問いかけがあったのが印象的でした。
皆さんは、どのようなイメージがありますか?
私は、個人の意見ですが、「保健所から移送されてきた動物たちを一定期間保護したのち、期間を過ぎた動物たちを処分する施設」と答えました。
しかし、その後じっくりと話を伺っていると、それは似て非なるものでした。
今回は、船橋市動物愛護指導センターのお仕事を知ってほしいという想いと、皆様へのお願いの気持ちを込めてこちらの記事を書かせていただきました。
「人と動物の生活を守り、人と動物の共生できる社会をつくることを理念としています」とお話をしてくれました。
1.動物の愛護
動物とのふれあい体験などを通じて、動物愛護の精神と適正な飼養方法の普及や、飼い主がわからない動物の収容や管理を行っています。
2.人と動物が共生するための、公衆衛生を守る
人間の生活を守るための業務として、動物福祉の確保や感染症対策(狂犬病の予防)、生活環境を守るための飼い主への指導(ノーリード、フン、尿など)をしています。
当センターは動物愛護精神の普及・啓発を図るとともに、狂犬病の予防、正しいペットの飼い方など動物愛護管理行政をより充実し住みよい生活環境づくりを進めるための施設です。
船橋市動物愛護指導センター
動物愛護指導センターでは、人と動物が共生できる社会を実現するために業務をしています。
「施設に来る犬・猫をなくす」ことを目標としながら、人々の生活を守ってくれているのです。
ペットを飼う前には必ず「可愛い」「飼いたい!」だけの感情ではなく、真剣に責任について考えましょう。
犬でも猫でも10年以上は長生きします。
10年後もしっかりと責任をもって育てられますか?
エサ代もかかります。
病院代もかかります。
就職や結婚、出産等で生活のスタイルが変わるかもしれません。
飼い主自身も健康を保っていられますか?
人間の身勝手な事情で、ペットを手放すことは無責任ですので絶対にしてはいけません。
そもそも私たち人間が、しっかりと動物の命と社会への責任をもっていれば、保護・収容される動物はいなくなるのです。“施設に収容されるということは殺処分のリスクがあがる”ということを知っておくべきだと思いました。
「命と社会の責任」について、資料を基にお話ししてくださったので一部ご紹介いたします。
■快適で安全な環境を提供する責任
ペットの種類によって習性や行動、必要な環境が異なるのでしっかりと理解することが大切です。
■命を終えるまで飼い続ける責任
誰にでも人生の転機はありますが、環境が変わってもペットを本当に飼い続けられるのか? シミュレーションをして考えましょう。
■老いに向き合う責任
ペットも歳をとると様々な病気や症状が現れます。介護が必要な場合もあります。
■ルールやマナーを守る責任
犬嫌いや猫嫌いを生み出している多くの原因は、無責任な飼い主にあります。人と動物が共生できる社会にする為には飼い主が責任を持つ必要があるのです。
■人に危害を及ぼさない責任
地域社会の中には、動物が苦手な人や、アレルギーを持っている人もいます。放し飼いはやめましょう。
■周辺地域を汚したり迷惑をかけない責任
公共の場に排泄物が放置されているのは誰にとっても不快なだけでなく、衛生上にも問題があります。鳴き声や毛などの飛散なども迷惑に感じる人もいるので配慮が必要です。
■自然環境に影響を及ぼさない責任
ペットを放し飼いにすると、生活環境や生態系に悪影響を及ぼすことがあるので気を付けましょう。
家族や周囲の人間に同意や協力の意思はあるのかどうかも重要なポイントです!
※上記がクリアできなければ「飼わない」選択肢をとりましょう。
▼パンフレット全文はこちらからご覧になれます。ぜひご家族でご覧ください。
これからペットを飼うのを検討している人に読んでほしいです。
飼い主になる責任があるか見直すきっかけになります。
お子様と一緒に読んでほしい内容です。
野良猫への餌やりもペットと同様なことをご存じですか?
「可愛い」「可哀そう」などの感情で餌をあげてしまってはいけません。
野良猫は、繁殖能力がとても高いです。気づけば猫の群れができてしまうことも。
その猫たちは数年後どうなるでしょうか?
また、フンや尿、爪とぎ等で迷惑をかけてしまうことにもつながります。
一時的な餌やりは、愛護的な観点でも公衆衛生の観点でも“してはいけない”ということがわかりますね。
ついつい可愛がってしまう気持ちも充分にわかりますが、本当に猫たちの未来と地域での迷惑を考えた時、どんな行動をとるべきか考えるきっかけとなれば嬉しいです。
簡単に「飼えない」という理由でセンターが引き取ることはありません。
飼えない理由の中には、「性格が手に負えない(吠える・噛みつく)、鳴き声等が近隣に理解されない」などもあります。
こちらは躾(しつけ)をきちんとしてあげれば、人もペットも幸せに暮らすことができます。また、躾(しつけ)をきちんとすることは、お互いの生活を守ることもできますし、災害時などにも役に立つので必ずしておくべきことです。
他にも様々な理由でお悩みの方がいらっしゃると思います。
その時は、ペットに関する相談(ペットの飼育やしつけ等)について電話で相談もできるので頼ってみてはいかがでしょうか?
■役立つイベントも定期的に開催されています。
災害時、あなたはペットと一緒に避難できますか?
ペットは大切な家族ですが、他の人には受け入れられない時もあります。避難所には動物嫌いやアレルギーの人もいるかもしれません。
ペットと同行避難の状況は、日頃の備えで大きく変わりますのでぜひご参考にしてみてはいかがでしょうか?
・ペットのしつけと健康管理
犬の登録及び狂犬病予防接種、感染症の予防、キャリーに慣れる、トイレが決められた場所で出来るなど。
・住まいや飼育場所の防災対策と備蓄
家具の固定、ペット用品の備蓄(フード、水、ペットシーツなど)。
・迷子対策
飼い主がどこのだれなのかわかるようにしましょう。
・ペットの預け先の確保
避難所生活はペットにとって強いストレスがかかります。ペットが落ち着いて避難生活を送れるように友人・知人・親類宅などで預かってもらうなど避難所以外のペットの避難先を確保しましょう。
資料に詳しく書いてあるので、ぜひ家族で読んでください!
このように動物愛護指導センターでは、わたしたち人と動物が幸せに共生するために様々なことを指導してくれています。
・好意で餌をあげているのに怒られた
・保護した犬が殺処分されてしまった
・犬の鳴き声を厳しく注意された など
冷たい印象を持っている方もいるかもしれませんが、今回取材していて私は、「誰よりも、動物と人間のことを考えている場所」だと感じました。
実際に動物に接しているスタッフさんも何人か見かけたのですが、誰もがしっかりと温かく動物と向き合っていました。
こちらの機関の目標は「施設に来る動物をなくすこと」です。
少しでも、動物との向き合い方を考えるきっかけになったり、こちらの資料の存在をひとりでも多くの方にお伝えできれば幸いです。
役立つ情報が環境省にたくさん掲載されていますので、ペットをこれから飼いたい人も、飼っている人も、ご一読ください。
※2020年7月14日時点の情報です。
※2020年7月14日時点の情報です。
船橋市動物愛護指導センター
電話 047-435-3916
FAX 047-435-3917
〒273-0016千葉県船橋市潮見町32-2
受付時間:午前9時から午後5時まで 休業日:土曜日・祝休日・年末年始(12月29日から1月3日まで)
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。